各術用語を辞書的、そして最後は米田節で解説するコーナーです。
3分で読めるまとめです。
メンタルアカウンティングとは
メンタルアカウンティング(Mental Accounting)とは、行動経済学の概念で、人々がお金を異なる「心の勘定科目」に分類し、それぞれ異なる価値を与えて意思決定を行う心理的傾向を指します。この概念はノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラー教授によって提唱されました。行動経済学の大家3名のなかの1人です。
メンタルアカウンティングの主な特徴
人々は無意識のうちにお金を「給料」「ボーナス」「臨時収入」などの異なるカテゴリーに分類し、その出所によって使い方を変えます。例えば、宝くじで得た10,000円と、残業で得た同じ10,000円の価値を異なるものとして扱うことがあります。
実生活での例
- ハウスマネー効果:ギャンブルで一度勝った金額を「ハウスマネー」(カジノのお金)と見なし、労働で稼いだお金より気軽に使ってしまう現象
- 予算の分類:「食費」「娯楽費」「教育費」などと予算を分け、同じお金でも使途によって価値づけが変わる
- **クレジットカード支出:**現金で支払うより、クレジットカードの方が心理的な痛みが少なく、より多く使ってしまう傾向
メンタルアカウンティングのリスク
メンタルアカウンティングは、必ずしも合理的でない金銭的意思決定を引き起こし、時に経済的な不利益や損失を招くことがあります。例えば、高金利のクレジットカード負債を抱えながら、低金利の貯蓄口座にお金を貯め続けるなどの行動がこれにあたります。
メンタルアカウンティングの活用
一方で、メンタルアカウンティングを理解し適切に活用することで、貯蓄や投資などの金融行動を改善することも可能です。例えば、給料を「生活費」「貯蓄」「投資」などに明確に分けて管理することで、計画的な資産形成に役立てることができます。
米田さん的解説 QOLを上げる活用法?
日本語では「心の会計」とも呼ばれていますね。子育て中の親世代だと、
- 児童手当は子どものために使おう、または進学費用として貯めておこう
- 七五三などでもらったお金は子どものお金として貯めておこう
- 証券投資で儲かったお金はちょっとお高めのものに使おう
というように、何らかの理由をつけてお金に「色を付ける」行為をしていますよね。
合理的経済人(ホモ・エコノミクス)に言わせると、「お金に色はねぇ!最大化できるように合理的に使え!」と怒られますけど(笑)
しかし、お金に色をつけることは決して悪いことではないと思います。
むしろ私は、メンタルアカウンティングを積極的に有効活用すべき!というスタイルです。
正直なところ、頑張って得たボーナスくらい、少しパーッと使わせてほしいよ。
普段は食べられない美味しい料理や飲み物を楽しんだり、
家族にプレゼントを買ったりするの大切じゃん?
メンタルアカウンティングがあるからこそ、人間味のあるお金の使い方ができるのではないだろうか。
上記で述べた悪い例は真似してはいけないけど、良い意味でお金に色を付けて、幸せになるために使うことは全然良いと思います。
重要なのは、メンタルアカウンティングを自覚した上で戦略的に活用すること。
必要な時は使って、不要な時は無視、ハイブリッドでぜんぜんOK。したらプリウスくらいの無駄なく効率的に生活できるさ。それくらいの距離感で付き合う概念だと思います。
セイラー先生。ありがとう。
おまけ エコノさんとヒューマンさん劇場
エコノさん(超合理的人間)
「お金に“色”をつけるなど非合理の極み!最大効率で動かせ!」
ヒューマンさん(普通の人間)
「いや、人間は“心の会計”があるから楽しく生きられる!合理的に計算してたら人生カッスカスやで?ボーナス出たし、ラーメン具マシマシにしたろー」

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