ゴルディロックス原理とは|心理学でいう「ちょうどいい」とは?
ゴルディロックス原理とは、「ちょうどいい」状態や条件を表す概念です。この名前は、イギリスの童話「三匹の熊」(Goldilocks and the Three Bears)に由来しています。この物語で少女ゴルディロックスは、熊の家で「熱すぎず、冷たすぎず、ちょうどいい」温度のお粥を選びます。
心理学では、人間が極端な選択よりも「中庸」を好む傾向を指します。これは単なる好みではなく、生存本能に根ざした行動パターンとされています。実際、人間以外の動物も同様の傾向を示すことが観察されています。
人間の本能的な反応|極端を避ける理由
例えば以下のようなものです。
- 環境:熱すぎても寒すぎても快適ではない
- 味付け:薄すぎても濃すぎても美味しくない
- 部屋の明るさ:暗すぎても眩しすぎても良くない
- 人間関係:近すぎると過干渉になり、遠すぎると孤独を感じる
人間は本能的に、極端な状態よりも「ちょうどいい」バランスを求める傾向があります。
米田語で解説!ゴルディロックス原理の身近な例
さて、辞書的な話は終了して、米田視点で生活感をプンプンさせながら書いていきましょう。
先日、ジグソーパズルを買いに行ったんですよ。子どもがやってるのを見ていたら、無性にやりたくなってね。パズルが趣味とかではなく、本当に思いつきです。
ふらっと立ち寄ったお店で吟味し、500、1000、2000ピースと並ぶと、なぜか1000を選んでしまうんだよな。ゴルディロックスやん!と自分にツッコミですよ(笑)
こんなの探せばいくらでもありますよねー。
- ゲームの難易度設定、easy、normal、hardとあったら、知らないゲームならnormalを選ぶ。
- マクドナルドのポテトでとりあえずMサイズ選ぶ
- 通販サイトで星が2〜4つの評価を信用してしまう。なんか1と5は極端に見える。
どれもこれも、なんとなく「本能的にちょうどいい」って思うから選択してるみたい。
こんな「ちょうどいい」を選ぶ原理のことをゴルディロックス原理と呼ぶと。
ゴルディロックス原理の応用例|LINE既読やアパレル店員にみる距離感
LINE既読スルー時間問題
昔からある原理みたいだけど、近年のテクノロジーにも応用できそう。LINEの既読スルー問題。
即レス : 必死感が出る
3日後 : 関係が冷める
数十分から数時間後 : ちょうどいい距離感
これ、現代人あるあるですよね?
ゴルディロックスアパレル店員さん最強説
私のエピソードをもう一つ、洋服を選んでいる時。
「これは秋の新作でー」
とかゴリゴリ来られると鬱陶しいが、試着しようと店員さんを探すといない(笑)
「都合のいいこと言い過ぎやあんた」って怒られそうだけど、本当そうじゃないですか?
アパレルにお勤めの方で、
「基本はお客さんを見て見ぬふりしているけど、困ったことがありそうだと思うとすぐ駆けつけてくれる店員さん」
これゴルディロックス店員!実はこの絶妙な距離感って、計算されてる気がする。
- 物理的距離:数メートル(監視感はないけれども、声は届く)
- 声かけタイミング:入店5分後
- トーンの配分:営業3割、世間話7割
こんな店員さんいたら、その店また行きたくなるでしょ?私は大好きです!
ゴルディロックス原理をわかりやすく!ヒューマンさん×エコノさん劇場
【ラーメン屋にて】
ヒューマンさん:こってり・普通・あっさりあったら、普通にするわ。
エコノさん:なんでや?自分の好み把握してへんのか?
ヒューマンさん:いや、なんか極端なん選んで失敗したらイヤやん。
エコノさん:それがゴルディロックスや。要はビビってるだけやろ。
ヒューマンさん:違うわ!リスク管理や!
エコノさん:ほな次はこってり頼んでみ?新しい世界が開けるかもしれんで。
ヒューマンさん:…やっぱ普通でええわ。
エコノさん:結局それかい!(笑)でもな、その「普通」も店によって全然違うんやで。
ヒューマンさん:え?
エコノさん:A店の普通がB店のこってりより濃いこともある。「普通」なんて相対的なもんや。
ヒューマンさん:…じゃあ初めから好きなの選べばええんか。
エコノさん:せやで!失敗を恐れず挑戦や!
ゴルディロックスの罠|「ちょうどいい」が成長を止めるリスク
ここまで「ちょうどいい」を褒めてきましたが、実は落とし穴もみえます。
運動での罠
- 全くやらないと不健康、やりすぎても怪我のリスク
- 中庸を守りすぎても、技術や体力も伸びない。
恋愛での罠
- 「ちょうどいい人」ばかり選ぶ → 刺激不足で飽きる
- 安定志向 → ドキドキがない
キャリアでの罠
- 無難な選択ばかり → 成長機会を逃す
- リスクを取らない → ブレイクスルーがない
たまには「あえて極端」を選ぶ勇気も必要かもしれません。
中庸な選択肢をしていれば、そりゃ中庸な人生になるに決まってるでしょ。
ときに振り切ったチャレンジをすることが新たな発見や成長につながるかもしれない。
大谷翔平もジェフ・ベゾスも「中庸?知らんがな!」と言って人とは違う振り切った行動をし続けたおかげで今があるでしょう。
ゴルディロックスに気づく日常のサイン
自分が「ちょうどいい病」にかかってるかチェック:
□ 新商品より定番商品ばかり選ぶ
□ 旅行先でもチェーン店に入ってしまう
□ 服は無難な色ばかり
□ 「とりあえず真ん中で」が口癖
□ 失敗した記憶だけやたら覚えてる
3つ以上当てはまったら、たまには振り切った選択をしてみては?
まとめ|ゴルディロックス原理は「ちょうどいい塩梅を求める本能」
ゴルディロックスの説明は深く掘ろうと思えば掘れるけど、どうしても固くなってしまう。
やはり「ちょうどいい塩梅を求める本能」くらいの文字数でまとめると一番しっくりくる気がするな。これは人類が何万年もかけて身につけた、「ちょうどいいセンサー」だと思う。
ちなみに1000ピースは8割くらい作って数ヶ月ほったらかしです。
私には「ちょうどいい塩梅」ではなかったようです。私のちょうどいいセンサーぶっ壊れてました(笑)
でも考えてみたら、500ピースじゃ物足りないし、2000ピースは最初から諦めてた。結局1000を選んだのもゴルディロックス。で、8割完成もある意味「ちょうどいい」のかも。完成させたら終わっちゃうし、かといって手つかずじゃもったいない。
人間って、どこまでいっても「ちょうどいい」から逃れられないのかもしれませんね。
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